バックナンバー 2001年 9月号


  2001年9月の「今月の一枚」は『孔雀』です。

この作品はいまから70年以上も前の1930年(昭和5年)の秋に開かれた第11回帝国美術院美術展覧会(帝展:現在の日展の前身)に入選した作品です。鈴木の戦前の帝展入選作品は、その多くが戦災で焼失してしまいましたが、この『孔雀』は鈴木の代表作の一つです。今秋、神戸で開催される「鈴木清一回顧展」には、修復によって甦ったこの120号の大作をご覧頂だくことができます。

▲鈴木清一作 『孔雀』(1930年) 
カンバス 油彩 193.9×112.1cm 個人蔵(神戸市)

    

▼『孔雀』の制作に取り組む鈴木

『孔雀』の制作に取り組む鈴木

この写真は、第11回帝展(1930年)に入選した『孔雀』の制作中に、鈴木のアトリエで撮影されたものです。茨城県出身の洋画コレクター・跡部操氏に招かれて、東京から神戸へやって来た鈴木は、同氏宅に寄宿して帝展に出品する『孔雀』の制作に没頭していました。

上の写真と帝展入選の原画とを比較して見ると、この写真が撮影された後に、鈴木は構図の一部を手直ししていることが分かります。作品の中心であるべき雄鳥の見事な姿を強調するために、鈴木は画面の左手前に描いていた雌鳥を右奥に移したのです。

 


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