2004年 11月号


このページでは、鈴木清一の作品を毎月一点づつ取り上げ、
作品にまつわる話題などととしていきたいと思います。

※今月までのバックナンバーは、ページの最下段をご覧下さい。


今月は、『月見山晩秋』(1953年)をご紹介します。

▲ 鈴木清一作『月見山晩秋』(1953年)
油彩・色紙、27.0x24.1cm
個人蔵(神戸市須磨区)


1933年から1954年までの21年間、清一の一家は神戸市須磨区月見山町に住んでいました。
この家の2階の窓から見える景色は、彼の創作意欲を大いにかき立てたらしく、板やキャンヴァスや色紙に描いた小品がたくさん残っています。彼の「月見山の連作」は、いままでに『月見山風景』(2001年10月)『窓からの風景』(2003年9月号)の2点(いずれも1940年頃の作品)をご紹介しています。

今月の『月見山晩秋』は1953年の作品で、先の『月見山風景』と同じ離宮(戦前・戦中は皇室所有の武庫離宮でしたが、1967年に神戸市立離宮公園として公開されました)の森が、ほぼ同じ構図で描かれています。一片の白い雲が浮かぶ青空の下に、鮮やかに色づいた紅葉樹と濃緑色の常緑樹が、太い筆で力強く描かれているのが印象的です。写真を見ただけでは、この作品が小さな色紙に描かれていることを想像するのは難しいかも知れません。

『月見山晩秋』を描いた翌年の春に、清一の一家は須磨区関守町へ転居しました。彼は住み慣れた月見山が気に入っていたのですが、家主から家を明け渡すように再三求められていた上に、老朽化して雨漏りがひどくなったこの家に住み続けることが難しくなったためでした。

清一の「月見山の連作」は、1954年春に描かれた2点をもって終わっています。


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2004年 2003年

10月:『ぶどうと西洋梨』
9月:『中之島公園』
8月:『山百合』
7月:『丹頂鶴』
 
6月:『月見山の家の庭』
5月:『舞子の風景』

4月:『鬼塚貫一氏像』
3月:『倉敷の家』

2月:『早春』
1月:『自画像』

12月:『少女』 
11月:『秋深まる』 
10月:『染付け皿と秋果』
9月:『窓からの風景』 

8月:『石廊岬』
7月:『婦人像』
6月:『水戸弘道館』 
5月:『布引の新緑』
4月:『山ざくら』
3月:『水仙』

2月:『早春の六甲』
1月:『小菊』
2002年  2001年
12月:『根室原野の鶴』
11月: 『筑波山』 
10月: 『篠原本町の庭』   
9月: 『八千代像』  
8月:『九歳の八千代』  
7月:『会下山風景』
6月:『舞子の松』
5月:『赤い本』

4月:『菊池辰重氏像』
3月:『代々木風景』
2月:『春のうた』
1月:『雲と牛』
12月:『天王山農場』
11月:『初秋』

10月:『月見山風景』
9月:『孔雀』


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