このページでは、鈴木清一の作品を毎月一点づつ取り上げ、
作品にまつわる話題などととしていきたいと思います。
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今月は、『若葉の明石公園』(1955年ごろ)をご紹介します。
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▲ 鈴木清一作『若葉の明石公園』(1955年ごろ) |
JR山陽本線明石駅のすぐ北側に広がる兵庫県立明石公園は「全国桜名所100選」に選ばれており、桜の季節になると大勢の花見客で賑わいます。
この作品は新緑にはまだ少し早い若葉の季節の明石公園を描いたもので、桜の花が終わって花見客が去った後の静まり返った公園内の雰囲気がよく感じられます。
縦長画面の半分以上を占める池に映った木々の若葉と薄雲の青い空が、柔らかな軽い筆致で描かれています。心地よい春の微風でわずかに揺れる水面の描写が、この作品をいっそう温和なものに仕上げています。喧噪とはまったく縁のない静寂の世界です。
清一は木曜会の会員を連れてよく明石公園へ写生に出かけました。木曜会は清一が指導していた三菱重工業神戸造船所の洋画同好会です(「今月の一枚」2004年4月号参照)。普段は室内で静物や人物を描いていましたが、春や秋の休日には郊外へ写生に出かけることが多かったのです。この作品もそんな写生会で会員たちと画架を並べて描いたものと思われます。