このページでは、鈴木清一の作品を毎月一点づつ取り上げ、
作品にまつわる話題などととしていきたいと思います。
※今月までのバックナンバーは、ページの最下段をご覧下さい。
今月は『ぶどうと桃』(1970年ごろ) をご紹介いたします。
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▲ 鈴木清一作『ぶどうと桃』(1970年ごろ) 油彩・紙, 36.6x49.0cm, 個人蔵(西宮市) |
今月は久しぶりに静物画を取り上げました。
「今月の一枚」2004年10月号の『ぶどうと西洋梨』でもご紹介しましたが、ぶどうと桃はいずれも清一が好んで描いたモチーフです。とくに、ぶどうを描いた作品は非常に多く、一房のぶどうだけを小皿に盛った構図の作品から、びわ、リンゴ、柿、レモン、水蜜桃、梨、ざくろなどを添えたものまで実に様々です。
さて、この作品には2種類のぶどうと桃がガラスの器とともに描かれていますが、薄緑色と濃紫色のぶどうに鮮やかなピンク色に熟した水蜜桃を並べた色のコントラストが見事です。クリスタルガラスを通して、下に敷いた布の柔らかい黄土色が透けて見えることが、この作品をいっそう面白くしています。さらに、布の周囲に描かれた焦茶色の床が画面を効果的に引き締め、クリスタルガラスのハイライトが涼しさを誘います。
果物屋の店頭にぶどうと桃が並びはじめる季節になりました。食べたいなあという衝動に駆られるのですが、清一のこんな作品を見ていると、食べる前に一枚描いてみようかという気分にもなりそうですね。