あけましておめでとうございます。
2001年9月から連載を始めた「今月の一枚」は、お陰さまで6年目を迎えました。
どうぞ今年もご覧下さるようお願いいたします。
また、今年は4月に清一の画集と伝記とをまとめた本を出版します。
鈴木耕三著『孤高の画家・鈴木清一の作品と生涯』という
本で、
カラー口絵64ページ、モノクロ写真・図版190点を含む約250ページ、B5版のハードカバーです。
「今月の一枚」と併せてご参照下さるようご案内申し上げます。
さて、今月は『雪の月見山』(1952年) をご紹介いたします。
※今月までのバックナンバーは、ページの最下段をご覧下さい。
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▲鈴木清一作 『雪の月見山』(1952年) 油彩・色紙、27.0x24.0cm、筆者蔵 |
今年の冬は例年になく雪が多いようで、昨年末から全国各地で記録的な降雪が続いています。滅多に雪が積もらない神戸でも、昨年12月22日に雪が降り、気
象台は神戸で88年ぶりの積雪量だったと発表しました。確かに昔はもっとよく雪が降ったような気がします。わたしが中学生のころ、20センチほどに積もっ
た雪の中で友人と遊んだ記憶がありますが、清一がこの作品を描いていたのはあの日のことだったのかも知れません。作品の裏面に鉛筆で「昭和27年」と記さ
れているので、わたしは中学3年生だったことになります。今年の冬は例年になく雪が多いようで、昨年末から全国各地で記録的な降雪が続いています。滅多に
雪が積もらない神戸でも、昨年12月22日に雪が降り、気象台は神戸で88年ぶりの積雪量だったと発表しました。確かに昔はもっとよく雪が降ったような気
がします。わたしが中学生のころ、20センチほどに積もった雪の中で友人と遊んだ記憶がありますが、清一がこの作品を描いていたのはあの日のことだったの
かも知れません。作品の裏面に鉛筆で「昭和27年」と記されているので、わたしは中学3年生だったことになります。
この小品に描かれているのは、清一が1933年から1954年までの21年間住 んだ月見山の自宅2階の窓から見た風景で、背後の小高い丘は武庫離宮の森の一部です。
現在、この一帯は神戸市立須磨離宮公園になっていて、丘の向こう側 (西側)には噴水広場が、丘の手前右手の方には花しょうぶ園が作られています。当時は手前に家が一軒建っていただけで、周囲には野菜畑や空き地が点在して いましたが、今日では立錐の余地もないくらいに住宅がびっしりと建っています。
さて、この作品では、建物の壁が褐色に塗られていることを除けば、 ほとんど白と黒のモノクロームに近い色調で描かれていて、底冷えのする雪の日の雰囲気を醸し出しています。特に、右手の黒々とした大樹が、この作品にいっ そう寒々とした印象を与えています。
清一はこの作品と同じ構図の作品を何枚も残しています。四季折々に 姿を変える裏山の景色に創作意欲を掻き立てられたのでしょう。今までにこのページでも『月見山風景』 (2001年10月号)と『月見山晩秋』 (2004年 11月号)の2枚をご紹介しています。この日も彼は、雪化粧をした離宮の森を眺めているうちに、絵を描きたくなったに違いありません。