※今月までのバックナンバーは、ページの最下段をご覧下さい。
![]() |
|
▲鈴木清一作『秋果』(1970年ごろ ?) 油彩・板、31.6x47.0cm, 筆者蔵 |
見事な朱色に熟した柿と柘榴。いずれも古くからお気に入りのモチーフで、小さなカンヴァスや色紙などに描いた作品がたくさん残っています。
清一が友人に宛てたハガキの中に、柿の実の絵に添えて、
「私の生まれた家の屋敷に彼岸の頃には食べられる柿の木があった。子供の頃、木に登ってその柿の実を食べたことを覚えている。今日から考えると大して甘くない柿だったと思うが、幼い頃の私にとってはうれしいものだったらしく、今でもよく思い出します」
というのがあります。彼はこの『秋果』を描きながら、きっと遠い昔のことを思い出していたのでしょう。
この作品には清一の署名とともに、画面右上に「秋菓」(秋果の間違い) の文字が黒いフェルトペンで書かれています。これは清一が死の3か月前に病床で自ら書き込んだものです。
詳しくは『ぶどうと西洋梨』(今月の1枚、2004年10月号)をご覧下さい。