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| ▲鈴木清一作『新楼の家』(1927年) 油彩・板、23.3x32.5cm、個人蔵(水戸市) |
この油彩画の小品は、清一が水戸中学時代の親友に贈ったものです。作品を所蔵しておられるご遺族から伺ったお話によると、清一が台湾で描いたものだということです。なるほど、画面の左下には「Seiiti-S.
1927」と書き込まれています。清一が台湾に滞在していたのは、1927年(昭和2年)の年初(?)から翌年の5月までですから、ここに描かれているのが台湾の風景であることには間違いありません。
絵の裏には清一の筆跡で「新楼の家」と記されています。彼はヨーロッパ渡航の準備をするために、当時台南に住んでいた知人を頼って台湾へ渡ったことが分かっているので、新楼というのは台南の付近の地名ではないかと考えました。そこで、台南市の地図を調べてみると、台南火車站(台南駅)のすぐ近くに「新楼街」という東西に走る道路が見つかりました。また、台南神学院の北側には「新楼医院」という病院もありました。どうやら、清一はこの付近の風景を描いたようです。
「新楼の家」というのは、木立の向こう側に見える赤い屋根と白い壁を持つ建物のことなのでしょう。相当大きな建物に見えますが、清一が「家」と呼んでいるからには誰かの住居なのでしょう。ことによると、清一が居候していた知人の住居だったのかもしれません。
今からちょうど80年前の日本統治時代の風景ですから、現在はもうこの建物は残っていないかも知れませんし、付近の景色もすっかり様変わりしているのでしょうが、現地を調べに行ってみたい気がします。何かご存知の方がいらっしゃれば、どうかこちらのメールアドレスまでご連絡下さるようお願い申し上げます。
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