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| ▲鈴木清一作『冬の赤松』(1968年) 油彩・色紙、27.0x24.0cm、個人蔵(宝塚市) |
『冬の赤松』という画題が付いたこの作品には、枯れ草の林の中から天に向かって勢いよく伸びた10数本の赤松が描かれています。赤茶色の松の幹と緑色の葉の塊が作る色彩のコントラストが見事です。松の葉を塊として捉えた大胆な筆遣いが、この小品に力強さを与えています。「松を近くから描くことは避けた方がいい」と清一が言っていたのを思い出します。
『舞子の松』(2002年6月号)でご紹介しているように、清一は若いころから松林をモチーフにした風景画を繰り返し描いており、現在までに所在が明らかになっているものだけでも、大は30号から小は色紙に至るまで、その数は50点を軽く超えています。松林はいわば清一のトレードマークのようなものでした。この作品と同じ構図の色紙画が数点見つかっている他に、パステル画のスケッチも見つかっています。おそらく、彼はこのパステル画を基にこれらの色紙を描いたのでしょう。
この作品が描かれた10年後の1978年の夏、83歳になった清一に神戸市文化賞が贈られました。清一の教え子たちが神戸市に熱心に働きかけたものでした。受賞の理由には「神戸画壇の長老として後進の指導に尽力。長年の研鑽による深みのある独自の画風に定評があり、なかでも松林を主とする風景描写は、他の追随を許さないものと高く評価されている」(『神戸新聞』1978年8月30日)とあります。
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