
今月ご紹介するのは、1926(大正15)年5〜6月に東京府美術館(現東京都美術館)で開かれた第1回聖徳太子奉賛美術展に清一が出品した「画室の裸女」という作品です。聖徳太子奉賛会が主催したこの展覧会は、聖徳太子没後1300年を記念して、帝展、二科会、院展、春陽会、国展、南画展、自由画壇など、日本画、洋画、彫刻、工芸品を加えた我が国芸術界の精鋭を網羅した全日本的綜合美術展を目指したものでした。なお、清一はこの展覧会に「画室の裸女」の他に、もう1点「花と裸女」を出品しています。しかし、いずれも水戸の空襲で焼失したらしく、今日では展覧会の図録と絵葉書でしか見ることはできません。
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| ▲鈴木清一作「画室の裸女」(1926年) 油彩・カンヴァス、144.0x112.1cm 第1回聖徳太子奉賛美術展覧会出品作品 原色版絵葉書から複写(原画は焼失) |
1919年に東京美術学校西洋画科を卒業後、同校の研究科へ進んだ清一は、東京府代々幡村代々木山谷(現在の渋谷区代々木3丁目)にアトリエを構え、精力的に制作を続けていました。ここで描いた「初秋の丘」(「今月の一枚」2007年4月号)が1921年の第3回帝展に初入選したのに続いて、翌1922年には「赤い本」(同2002年5月号)が入選しました。1923年は関東大震災のために帝展は開かれませんでしたが、1924年の「浴女」(同2008年2月号)、1925年の「首夏」、1926年の「女」まで、毎年彼は帝展に裸婦像の出品を続けました。今月の「画室の裸女」もこの裸婦シリーズの中の1枚として描かれたものです。
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