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2009 年3月号 
第9巻 第3号 (通巻第91号)
海が見える風景





▲鈴木清一作「海が見える風景」(1936年頃), パステル・紙, 33.0x41.0cm, 筆者蔵
 
手前に広がる草むらのすぐ先に住宅の屋根が並び、その向こう には青い海と島影が見えています。清一はこのスケッチに場所も日付も書き入れていませんが、彼が戦前から住んでいた神戸市須磨区月見山町の高台から南の方 向を眺めた風景で、遠くに見えるのは淡路島の一部です。

「窓からの風景」(2003年9月号) に描かれた短い坂道を上った場所から
清一は今月号の「海が見える風景」をスケッチしたものと思われます。
現在、ここには阪神高速道路3号神戸線の月見山料金所が建っています。

昔の記憶を辿りながら地図を調べてみると、清一がこのスケッチをしたのは、現在、阪神高速道路3号神戸線の月見山料金所がある辺り …『窓 からの風景』(2003年9月号) に描かれている短い坂道を上り切った付近と思われます。この草むらにも、今日では住宅が軒を連ねているので、遠くまで見通すことはできませんが、戦前の須 磨から塩屋・垂水では、このような風景がごく当たり前でした。

清一はこのスケッチのような風景がとくにお気に入りで、よく似た構図の作品が何枚も残っていますし、彼が永年講師を務めた三菱重工神戸 造船所の絵画同好会・木曜会でも、須磨、塩屋、垂水方面へよく出掛けて写生を楽しんでいました。今月ご紹介した清一のパステル画「海が見える風景」も、木曜会のスケッチに同行した彼 が、会員たちの目の前で描いて見せたものだったのでしょう。この「海が見える風景」を下絵にした清一のカット絵が、木曜会作品展目録に使われているのが見 つかっています。

▲1936年秋の第9回木曜会作品展目録の表紙に
「海が見える風景」を下絵にした清一の
カット絵が使われています。

  

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