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2010年2月号 
第10巻 第2号 (通巻第102号)

水戸神崎寺の銀杏木 (1951年)



鈴木清一作「水戸神崎寺の銀杏木」 

▲鈴木清一作「水戸神崎寺の銀杏木」(1951年)
色鉛筆・紙、37.2x28.3cm、筆者蔵


このお寺に清一の両親が眠るお墓があります。茨城県古河(こが)警察署長だった清一の父・国三郎が1928年6月に亡くなったときに、長男の清一が建立したものです。清一の母・きくは1952年2月に69歳で亡くなりましたが、彼はその前年から水戸の実家で母の看病にあたりました。自作の吸引器で喉に引っかかった啖を取り除き、母に喜ばれたという話を父から聞いたことがあります。

こ の銀杏の木のスケッチは、清一が母の看病をしていた1951年の秋に描いたものと考えられます。焦茶色と黄色の色鉛筆だけで描いた老木にはどっしりとした 安定感があり、彼は看病の疲れを癒すことができたのではないでしょうか。遠く離れた神戸から久しぶりに水戸へやって来た彼は、ちょっとした暇を見つけては、懐かしいふるさとの街を散策したのでしょう。同じスケッチブックの中に、弘道館公園や桜山公園などの風景のスケッチが残っています。

清一の妻・八千代が1974年に亡くなったときに、彼は妻の遺骨の一部を神崎寺のお墓に納骨しました。そして、清一が1979年に亡く なったときに、今度はわたしが父に倣って彼の遺骨の一部をこの鈴木家の墓に納骨したのでした。


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